令和元年度京都府総合防災訓練
令和元年9月1日(日)長岡京市の村田機械株式会社グラウンドにおいて、令和元年度京都府総合防災訓練が開催されました。
訓練開催に先立ち、医療関係者だけでブリーフィングが行われ、担当する現場での対応などについて確認をしました。
今回は9月1日未明から長岡京市域に局地的豪雨が発生し、市街地を流れる河川では氾濫危険水位を超過し、支川周辺の低平地において床上浸水等が発生、一部住家が孤立。同日7時、長岡京市域直下型地震(有馬―高槻断層)が発生し、長岡京市、大山崎町において震度7、向日市で震度6強を観測。これに伴い、長岡京市等の住宅地において火災が発生するとともに、一部の建物倒壊を想定した訓練でありました。
災害発生とともに、情報収集のための自衛隊、警察の機動部隊によるバイク偵察、災害対策本部を設置。救急車両の到着のあと土砂撤去や故障車両の牽引移動のための重機の投入とレスキュー隊による、がれきの除去と生存者早期発見のための警察犬の派遣、倒壊家屋からの救助等、警察、消防、自衛隊等の救助活動が開始されました。
救助された方に対し、DMAT(災害派遣医療チーム)のメンバーによる現場でのトリアージが行われました。トリアージエリアで症状・状態を分類された要救護者に対し、黒(死亡又は救助不可能)・赤(生命に関わる重篤な状態)・黄(生命の危険が及んでいないが、治療が必要な状態)・緑(軽傷又はそれ未満)といったタグが手首に付けられ、それぞれ対応するテントへ運ばれます。
京都府柔道整復師会から派遣された5名の会員は、緑タグをつけられた要救護者に対して、骨折・脱臼・捻挫・打撲・創部出血などの応急処置を行いました。緑テントでは我々の他に、京都府立医大病院のDMATチーム(看護師1名・調整員3名)と日本赤十字社京都支部講習終了者5名が配置され、ともに救護活動に当たりました。
緑テントは主に軽症と判断された要救護者の手当てをしますが、配置予定であった医師が不在であったり、看護師が緑テントの窓口担当となったため直接処置には当たらなかったり、また日本赤十字社京都支部講習終了者もすぐに他部署に異動となり、かなり手薄な中での訓練ではありましたが、各会員の迅速な判断と対応により的確な処置を施行することができました。一方未熟な点も多々あり、さらなる知識や技術の研鑽が必要だとも感じました。
訓練の現場でありますので、あらかじめ準備していた包帯やテーピング・シーネ等で処置をいたしましたが、東日本大震災が起こったときの救護所の様子などを拝見するとそういったものがない状況下で、身近にある傘や段ボール・野球のバットやタオル等で圧迫固定をされていました。今回の訓練を通して、こういった代用物を使用する処置に変えていった方がより現実的・実践的ではないかと感じました。
訓練終了後は、トリアージテント・赤テント・黄テント・緑テントのメンバーでデブリーフィングを行い、反省点や改善点などを相互に確認し合い、令和元年度京都府総合防災訓練を無事終了いたしました。