第71回京都接骨学会・保険講習会 平成30年度運動器疾患対応力向上実施事業
平成30年10月28日(日)午後12時40分から公益財団法人 京都労働者総合会館 ラボール京都2階大ホールにて「第71回京都接骨学会・保険講習会 平成30年度運動器疾患対応力向上実施事業」を開催しました。
田中弘昭学術部長から安井正佐也先生(愛知医科大学解剖学講座助教)の紹介があり、「柔道整復師の科学的視点―運動器疾患の臨床と研究―」と題して講演していただきました。
医療は科学の一部であり、柔整も医療の一員に認めてもらうためには科学的な理解が必須であると述べられ、柔道整復術を世界に広めていくことも可能と述べ、講演を終えられました。
安井正佐也先生
安原孝啓様
引き続き、14時30分から保険講習会を開催しました。講師の安原孝啓様(京都府健康福祉部医療保険政策課医療保険広域化担当課長)から「柔道整復療養費の適正な取扱いについて」と題し、講演いただきました。医療保険を取り巻く状況、厚生労働省から発表された平成29年度の情報をもとに、年間42.2兆円の医療費を説明され、毎年1兆円増加していることを説明されました。受領委任取扱いの承諾状況、柔道整復療養費(国保・後期高齢者)請求の状況、柔道整復療養費審査取扱状況、返戻理由別返戻件数内訳状況を説明されました。
次いで、長尾淳彦会長から「教育改革・制度改革について」と題して、公益社団法人日本柔道整復師会が行った制度改革の概要を、パワーポイントを用いての説明が有りました。臨床実習が1単位から4単位に変更。15時間から180時間に変更され、平成30年4月入学生から300時間多く学習していくカリキュラムについて説明がありました。そして臨地実習で初めて日整主催、京都社団主管、京都医健共催の「臨床実習指導者講習会」を開催することを説明されました。
また来年、柔道整復が誕生して、100周年を迎え、平成31年3月7日に100周年の記念式典を行うことを報告し、制度改革を行い新元号を迎えるにあたり、さらなる業界の土台作りを行っていくことを述べました。
次いで、中村英弘保険部長から「最近の保険情勢とスマートな保険の取扱いについて」と題して、講演を行いました。国保連連合会、返戻・過誤調整件数について、労災保険に多い返戻、近畿厚生局へのQ&Aの件、長期理由・長期頻回理由の違い、柔整審査会の審査強化について、順次説明しました。
最後に柴田宗宣副会長から平成30年度運動器疾患対応力向上実施事業について、京都府から補助金事業30年度の予定を報告しました。事業名は「在宅で療養する運動器疾患を有する者に対し、柔道整復術を安全に実施するための事業」で、在宅で療養する運動器疾患を有する者に対し、地域医療機関ならびにかかりつけ医との連携の上、安全で有効的な柔道整復術を実施し、患者の早期復帰に寄与するための研修を目的としていることを説明しました。
最後に、林副会長の閉会の辞を持って第71回京都接骨学会を閉会しました。